
2025年、夜空を彩る天体ショーとして注目を集めているのが「レモン彗星」です。 今年一番の”肉眼で見える彗星”として、秋の天文ファンの話題を独占しています。
レモン彗星とは
レモン彗星は2025年1月3日、アメリカ・アリゾナ州にある「レモン山天文台」で発見されました。 この天文台の名前にちなんで「Lemmon(レモン)」と名付けられています。 果物のレモンとは関係ありません。 この彗星は長周期彗星に分類され、公転周期は約1350年。 つまり、一度見逃せば次に地球の近くを通るのは1000年以上も先の事になります。
見どころと観測時期
レモン彗星は2025年10月中旬から11月中旬にかけて北半球で観測可能です。 特に10月21日に地球に最接近し、10月27日ごろに最も明るく輝くと予想されています。 太陽への最接近日は11月8日。 条件が良ければ4等級程度まで明るくなり、都市光の少ない場所では肉眼でも観測可能です。 観測に適した方角は、日没後の北西の空、北斗七星の下あたりが目安とされています。
彗星の特徴と珍しい現象
レモン彗星は太陽風によって尾が引き裂かれる現象を見せたことでも話題になりました。 これは2025年10月21日、地球最接近時に観測された珍しい現象で、彗星の尾が太陽風の影響で分離して見えるようになったのです。 また、彗星自体は緑色の光を放って観測されており、この色は含まれるシアンや二原子炭素と呼ばれる分子の発光によるものです。
レモン彗星の名の由来
「レモン」という名は、発見地である「レモン山(Mount Lemmon)」に由来し、この山の名は植物学者サラ・レモン(Sara Lemmon)への敬意としてつけられました。 したがって、彗星名のスペルも「Lemon」ではなく、「Lemmon」と綴ります。
天文ファンへのおすすめ
10月下旬から11月初旬までの期間、空気の澄んだ夜に双眼鏡を手に北西の空を眺めてみて下さい。 光害の少ない場所なら、緑がかったレモン彗星の姿を直接見ることができるかもしれません。 また、オリオン座流星群の極大期と日程が重なるため、夜空では流星と彗星の共演が期待されています。
まとめ
1350年ぶりに地球に接近したレモン彗星は、まさに「一生に一度」の天体ショー。 緑の光で夜空を飾るこの彗星は、太古から続く宇宙の神秘を感じさせてくれます。 今この瞬間を逃せば、次にこの彗星が姿を見せるのは1000年以上も未来の話です。 秋の夜長、ぜひ空を見上げてみて下さい。

